2023年02月07日サンキ建設 布垣 友義
せっかく「高断熱」な家を設計しても、気密性能が悪ければ意味がありません。
壁や床、天井などにちょっとした隙間があっても空気は出入りします。
気密性能が悪ければ、冬だと室内の温めた空気がどんどん外に漏れていき、外の冷たい空気が入ってきます。
夏だと室内の冷やした空気がどんどん外に漏れていき、外の熱い空気が入ってきます。
この隙間の少ない方が効率がいいのはよくわかってもらえると思います。
その「隙間」を小さくするために、防湿気密シートや気密テープ、気密パッキン、気流止め部材などを使って隙間が出来ないようにしていくのです。
このことを理解しきちんと施工してくれる職人と、理論を理解し豊富な経験を持った現場監督が協力し一緒に取り組めるかがポイントとなります。
こう言った気密用の専用部材を使わずに、現場吹付の発泡ウレタンを使っても簡単に気密性能を確保できますが、木材の収縮や家の振動(台風の風や地震など)で隙間があいていきます。
なので現場吹付の発泡ウレタンの時でも気密用の専用部材(これらの部材は追従することができます)を併用しなくては性能が維持できないのですが、それを知らない設計士や現場監督が多かったり、費用と手間とノウハウがいるので採用しない会社が多いのが現実です。
この気密性能は計算で出るものではなく、実際に現場で測ってC値として表します。
C値とは1㎡あたり〇c㎡の隙間があるかで表します。
これは、延面積100㎡の住宅でC値が2.0だとすると、家全体で200c㎡の隙間があるということです。ハガキの大きさが148c㎡なので、それより少し大きい位です。
40年位前の住宅のC値は10位ではないかと言われていますが、(この数値は隙間が多すぎて測定できるか疑問なのであくまで推測値?)1999年では京都地域では5.0以下なら高気密となっていましたが、2009年の改正でC値の項目が無くなったので現在は基準値はありません。
一般的には1.0前後以下だと「高気密」と言われています。
これ以下の数値を出すには、コツと経験、努力がいるのでそれが各社のノウハウといえます。
同じ会社が設計、施工しても使う部材や間取りによって多少変わってくるので、やはり確かな知識を持った設計士と相談しながら進めていくのが大切となります。
気密測定は外部の第三者に依頼することが大事です。
測定時に法規上必要な換気口はふさいでいくのですが、間違ってそれ以外のところを塞いだりすると、正確な数値ではなくなってしまうからです。
「???」実はこのことを理解できていない設計士や現場監督が多いのです。そんな質問をしてみると知識の深さがわかるかもしれません。
今回のテーマは、「高断熱高気密でこだわりの住まいを建てるなら、誰にも頼むのが正解か」
つまり、「高断熱」かつ「高気密」かつ「こだわり」かつ「住みやすい住まい」の要素を「適当な価格で」建てるには「誰に頼むのが正解か」です。
1つだけに秀でるのではなく、いくら「高断熱高気密」でも住みにくければ意味がありません。その土地の気候やその敷地の日射や通風、眺め、隣家との状況・・・といったすべての条件をバランスよくまとめることが大事だと思います。
どんな業界でも同じだと思いますが、一つ一つ違うものを総合的にバランスよくまとめるには、知識と経験、能力、努力、時間的余裕が必要なのではないでしょうか。
家創りの順序や業者の特徴などなどは
「家創りのイロハ」のページ で詳しく説明しています。