設備機器高性能住宅

APW330とTW、どっちの窓を選ぶ?

2025年05月21日サンキ建設

APW330とTWの性能やデザインを比較してみました。


お客様との打ち合わせの中で「窓の性能」に関する質問が増えてきました。
インターネットや動画上でいろいろな情報が飛び交っており、
何が正しいのか、自分の家に合っているのはどれか、
迷われる方も多いようです。

今や住宅の高性能化は当たり前となっており、窓においても
断熱性能や気密性に加えて、デザイン性まで求められています。
中でも近年の住宅窓で主流となっているのが、
「樹脂サッシ」と「アルミ樹脂複合サッシ」です。

サンキ建設では、樹脂サッシ「 YKK AP APW330 」を
標準仕様としています。
また、同じ価格帯で高性能なアルミ樹脂複合サッシ
「 LIXIL TW 」を検討することもあります。
TWは、他のアルミ樹脂複合サッシと比べて
特に性能が高く、高性能住宅でも採用率の高い製品です。

今回は、この2つの商品を性能やデザイン性など
さまざまな視点から比較して、選び方のポイントについて
お伝えしていきます。

あなたのこだわりに合う窓は?

まずはそれぞれの特徴を整理してみましょう。


APW330(樹脂サッシ)

  • メリット:断熱性能が高く結露しにくいため、高気密住宅との相性がよい
  • デメリット:枠が太く、やや重たい印象になることも


TW(アルミ樹脂複合サッシ)

  • メリット:スリムなデザインで、ガラス面を大きくとることができる
  • デメリット:枠部分の断熱性能はやや劣り、樹脂サッシと比べるとやや結露リスクが高い


サッシを選ぶ基準は、住まいに対するこだわりや優先順位によって
変わってきます。
「性能にこだわりたい」「結露は避けたい」という場合は、
APW330(樹脂サッシ)がおすすめ。
「デザインや性能とのバランスを重視したい」という場合は、
TW(アルミ樹脂複合サッシ)がおすすめです。

APW330とTWの違い

まずは、それぞれの特性を理解しておきましょう。

画像引用:
YKKAP HP(https://www.ykkap.co.jp/consumer/products/window/apw330)、
LIXIL HP(https://www.lixil.co.jp/lineup/window/tw-fgtw/feature/insulation/)


APW330(樹脂サッシ)

樹脂サッシは、塩化ビニル樹脂(PVC)などを使用したサッシです。
断熱性・気密性に優れており、世界的にはスタンダードな素材で、
高い断熱・気密性能が特徴です。

TW(アルミ樹脂複合サッシ)

アルミ樹脂複合サッシは、外側はアルミ、内側は樹脂で構成されています。
アルミの耐久性と樹脂の断熱性を兼ね備えており、比較的框が細いです。
デザイン性と断熱性能のバランスがよいです。

【性能比較】カギは「U値」

性能の面ではどのような違いがあるか、みていきましょう。
窓の性能を表す指標のひとつとして「U値(熱貫流率)W/㎡・K」
が用いられています。
これは室内側と室外側の温度差を1℃としたときに、
1時間あたりに1㎡を通過する熱量のことをいいます。
熱貫流率の数値が小さいほど、熱の移動が少なく断熱性能が高いといえます。

部位APW330
(樹脂サッシ)
LIXIL TW
(アルミ樹脂複合サッシ)
窓全体(ガラス+枠)1.55 W/㎡・K1.53 W/㎡・K
ガラス中央部1.30 W/㎡・K1.20 W/㎡・K
枠部分(参考値)約2.00 W/㎡・K約2.50 W/㎡・K

※条件は同一:防火仕様、Low-E複層ガラス+アルゴンガス、日射取得型
※数値は各メーカーの試験値による
※枠部分の値については06009サイズから算出した参考値

基本として、窓は「ガラス」と「枠」で構成されています。
上の表はAPW330とTWを「ガラス」と「枠」に分けて
それぞれの熱還流率を示したものです。

ガラス中央部のU値はTWの方がわずかに優れていますが、
枠の断熱性はAPW330の方が格段に高いです。(※参考値)
窓全体のU値は、APW330とTWどちらも
約 1.5W/㎡・K 程度とほぼ同じです。
窓全体のU値は、大まかにいうとガラス部分と枠部分
それぞれのU値を足して、窓全体の面積で割った平均値です。
TWは枠部分のU値が高いですが、枠が細いため
全体に占める割合が小さくなり、
結果として窓全体の平均のU値はAPW330とほぼ同等になります。

【デザイン比較】枠の太さのちがい

APW330(樹脂サッシ)
TW(アルミ樹脂複合サッシ)


見た目の違いとしては、TWの方が枠が細く、
よりスッキリしたデザインです。
樹脂よりアルミの方が強度があるため、樹脂だけで剛性を
もたせるためには枠を太くする必要があるため、
樹脂サッシの方が比較的に枠が太くなります。

窓の存在感を少なくして、外の景色を綺麗に見せたい場所には
枠の細いTWがおすすめです。
また、小さいサイズの窓は、ガラス部分に対して枠部分の比率が
大きくなり、枠の印象がより強くなります。
小さいサイズの窓でも、TWを使用することで
比較的すっきり見せることができます。

【耐久性比較】部材の劣化速度のちがい

樹脂よりアルミの方が強度が高いと言われていますが、
サッシの耐久性にはどのようなちがいがあるのでしょうか?

素材そのものだけで比較すると、APW330(樹脂サッシ)より
TW(アルミ樹脂複合サッシ)の方が紫外線や雨風への耐久性は
やや高いといえます。
しかし、実際の窓にはサッシ以外にも部材があり、それらの耐久性も
考える必要があります。
例えば、ガラスとサッシの間にある「ガスソケット」や
「スペーサー」などの部材は、どちらの窓にも含まれる部材で、
サッシ本体より劣化が早いと言われています。
これらの部材が劣化すると、ガラスとガラスの間に充填された
ガスが抜けて、窓本来の性能を発揮できなくなってしまいます。

そのため、耐久性に関しては、サッシの素材だけで
どちらがいいか決められるものではありません。
現時点では、どちらの窓でも30年程度を目安として
交換やメンテナンスを検討するのがよいでしょう。

まとめ

冒頭でもお伝えしましたが、サンキ建設では、
樹脂サッシ「 YKK AP APW330 」を標準仕様としています。
断熱性能が高く、結露のリスクも低いことから、
快適な環境でより長く暮らしていただけると考えています。

また、外の景色をより美しくみせたい場合や、
光をたくさん取り入れたい場合は、
アルミ樹脂複合サッシ「 LIXIL TW 」を採用することも
おすすめしています。

サンキ建設では、長年の施工の経験や、お客様の声、
最新の情報収集などから、性能・デザイン・予算のバランスを考え、
お客様の暮らしに適した窓をご提案しています。


次回は、窓の結露の仕組みについて詳しく解説していきます!


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