2024年09月18日サンキ建設
松尾設計室/松尾和也氏のエコハウス性能向上セミナーを
共に受講している森大建地産さんの完成見学会に三重県津市まで
行ってきました。
こちらの物件は、断熱等級6.5相当、耐震等級3の高性能住宅で、
松尾式小屋裏エアコンシステムの最新バージョンを採用しています。
最新バージョンでは、小屋裏からダクトで各部屋に冷気を送る仕組みで、
第一種換気、空気清浄機、エアコンを組み合わせることで
温度、湿度の調整だけでなく、外気の汚れや花粉なども除去して
快適な空気を室内に送り込むことができます。
特に湿度の調節による効果が大きく、夏のジメジメした不快感を
軽減することができます。
私たちは9月上旬の午後3時ごろに伺いました。
1階LDKには25人を超える見学者がおり、
22℃の設定で冷房を稼動させていましたが
LDKの温度は27℃で、少し暑さを感じるような状態でした。
夏場に外から入ってきたばかりの大人一人当たりの発熱量は
200W近くになり、
内部発熱は 200W × 25人 = 5,000W となります。
さらに壁、窓、屋根からの日射取得熱が 2,000W 程度とすると
合計で 5,000W + 2,000W = 7,000W となります。
設置している小屋裏エアコンの最大冷房能力が 5,200W であるため
小屋裏エアコンの能力を上回る熱量となり、
一時的にオーバーヒートしてしまったようです。
別の時間帯では22℃になっていたそうなので、
うまく機能しているとのことでした。
湿度に関しては、25℃で相対湿度40%を下回る程度の数値に
なったようです。これは少し乾燥を感じるほどの数値です。
これまでのバージョンでは25℃で相対湿度60%が目安とされていたので
最新バージョンの除湿性能がどれだけ高いのかがわかります。
小屋裏エアコンを計画する際には、
間取りによってダクトの通し方や空気の流れ方などが
ちがうため、それを理解したうえで計画しなければなりません。
また、室内の温度ムラを少なくするためには、
エアコンだけでなく、開口部の日射遮蔽が非常に重要になります。
もちろん、建物そのものの性能も重要です。
気密がしっかりとれていないと、想定していない場所から
空気が出入りすることになり、計画した空調計画が適切に
機能しなくなってしまいます。
適切な日射遮蔽・空調計画・間取りに加えて断熱・気密性能の
すべてがそろった上での小屋裏エアコンシステムです。
サンキ建設では、松尾式小屋裏エアコンの技術提供を受けているので、
最新の松尾式小屋裏エアコンの施工も可能です。
他の空調や換気の方式も含めて、仕組みやメリット・デメリットについて
ご説明させていただいたうえで、お施主様の暮らし方や間取りに適した
空調計画をご提案します。
サンキ建設で建設中のエコリノベーションモデルハウスでは、
バージョン2の小屋裏エアコンを採用しています。
目に見えない空気だからこそ、ご自身で体感することで
いろいろな発見があるのではないでしょうか。
年中快適に過ごすことができる体験型のコンセプトハウスは
11月に完成予定ですので、ぜひお越しください。