2018年07月22日サンキ建設 布垣 友義
では、「パッシブデザイン」の具体的な設計方法について説明しましょう。
「パッシブデザイン」の家を設計する上で、重要になるテーマは、
「通風」「遮熱」「断熱」「設備」の4つがあります。
今回は、「設計」から説明します。
まず始めに、家を建てる場所では、どのように風が吹くのかを知ることが基本です。地域のデータは(一財)建築環境・省エネルギー機構でも確認出来ますが、地域全体の風のながれと建てるその土地にどんな風が吹くかを調べます。
隣家が近接していたり、隣がビルだったりするだけで、風の流れは全く違ってきます。
その土地の現地調査の時に、隣家の状況と近隣の建物形状等も調査します。
ここが大事です!!
すごく大事なことなんですが、この調査をしない人が多いのです。
なぜ大事なのかは、後々わかっていただけることになります。これを基本とし、具体的な設計にいかしていきます。
風通しをよくするためには、入口と出口が必要です。
例えば、窓が1ヶ所しかないと、その窓付近では空気が入れ替わりますが、部屋全体の通風は期待出来ません。入口と出口があるとその間で、スムーズに空気は流れます。
また、通風量は、小さい方の窓の大きさで決まります。
なぜなら、風の出口が小さければ、入口が大きくても、小さい窓の分しか風は通れないからです。
風の力で換気する。
風があると言うことは、空気が動いているってことですよね。
建物に風が当たるところに窓を付ければ、風は空気を建物に押し込もうとします。
建物の反対側には、建物を引っ張っていこうとする力が発生します。
その力を利用して、窓を付けるようにします。
その土地の風の流れを把握していると有効な配置が可能になります。
次回は、
温度差換気 ウインドキャッチ について説明します。