2011年12月08日サンキ建設 布垣 友義
京都市内の紅葉も終盤を迎えています。
いよいよ京都名物の底冷えの季節が近づいてきました。
いらかの波と雲の波~♪
懐かしい方も多いと思いますが、「鯉のぼり」の唄です。
日本の原風景ともいえる瓦屋根のたたずまい。
京町家でも瓦が使われています。
ただ、京町家の一階の庇には「一文字瓦」が多用されています。
この一文字瓦と格子の組み合わせが京町家の外観美を形成する基本となっているのです。
一文字瓦とは軒先に使う瓦で、最下部の瓦の下端が一直線に並ぶのでそう呼ばれています。
一般的に使われる万十瓦(まんじゅうかわら)と比べて、すっきりと見えるのが特徴です。
普通の民家にもこういったこだわりを持ち、さりげなく格式と美を取り入れるのが京都人らしいところでしょうか。
上の写真で気が付かれた方もおられるかも知れませんが、
庇の上に何か人形のようなものが乗っていますよね。
これは「鍾馗さん」(しょうきさん)と呼ばれており、魔除けや学業成就の効験があるとされています。
いわれは、中国の唐の時代に遡るといわれ、
長い髭を蓄え、中国の官人の衣装を着て剣を持ち、何かを睨みつけているのが基本的なお姿。
なかなか多くの形があり、大きさもまちまちで、祇園界隈でよく見受けられます。
屋根に置かず、玄関に置くだけでも効験があるといわれています。