2013年02月21日サンキ建設 布垣 友義
そもそも地盤調査はなぜするのでしょうか?
日本は人工の割に国土が狭く、住宅に適した土地が少ないので、山を切り開き、海や池を埋め立てたり、農地を転用し住宅用地を増やしてきました。
そういった土地は、強度にバラツキが多く、
建物が沈んだり、傾いたりすることが起こりやすいのです。
そこで、事前に地盤の強度を測り、建物が沈んだり、
傾いたりしないようにするためです。
地盤調査でわかることは、
地盤の強度、地層の分布状況、断層の状況、遺跡、温泉・地下水の有無、土壌汚染、地下資源の有無、液状化や地滑りの可能性・・・・
といった色々なことを調べることが出来ます。
ただ、住宅を建てる場合は、地盤の強度が主な調査目的となります。
その結果によって、地盤改良が必要なのか、杭打ちが必要か、
通常の基礎でいいのかなどを判断するのです。
ここで重要なのが、「目的に応じた地盤調査方法を選ぶこと」です。
一般的に建物の地盤調査には、3つの調査方法があります。
地盤に鉄の棒を差し入れ回転させ、土の抵抗力や締まり具合を確認する方法。
長所は、
調査費用が安価。地盤改良の設計がし易い。
住宅のような軽い建物調査に向いている。
短所は、
地中に石などの異物があると調査が困難。先のとがった棒を差し入れるので、軟弱地盤と判定されることがある。
土質サンプルがとれない。
地盤を起震機で振動させ、その振動の伝わる速度によって地盤の強度を確認する方法。
長所は、
精度が高いため正確なデータがとれる。
石などの地中障害物があっても調査が出来る。
点ではなく面の地耐力が測定出来る。
住宅のような軽い建物調査に向いている。
短所は、
調査費用がスウェーデン式より少し高価。
土質サンプルがとれない。
ボーリングマシンで地盤に穴を開けサンプラーを地中に30cm貫入させるのに必要な打撃回数を測定し、その打撃回数をN値として記録する方法。
長所は、
土質サンプルがとれる。重い建物の設計に向いている。
短所は、
調査費用が高価。
住宅に重要な表層部のデータがとりにくい。
それぞれに長所短所があるのですが、
一般的に住宅には、スウェーデン式サウンディング試験 か 表面波探査 を、
鉄筋コンクリートや鉄骨の建物には、ボーリング(標準貫入試験)を用います。
つづく
地盤インスペクターのいる工務店
サンキ建設のホームページはこちら