2016年09月15日サンキ建設 布垣 友義
今回は、住宅会社ではありませんが、
設計事務所に依頼する場合を考えてみましょう。
皆さんは、設計事務所はどんな仕事をしていると思われていますか?
もちろん、設計をしているのはおわかりでしょうが、設計だけをしているところと、施工(工事)部門を併設しているところがあります。
一般的に設計事務所に設計を依頼される方は、設計だけをしている事務所に依頼するという考え方だと思います。
施工部門を併設しているのは主に、工務店と考えられているためです。
しかし実は、
施工部門は工事をするだけで、設計はしてはいけないのです。
また設計事務所は設計をするだけで、工事をしてはいけないのです。
(少額の工事は許可がなくても出来ます。)
施工するには、建設業の許可、
設計するには、設計事務所の登録が必要となります。
つまり、ハウスメーカーやパワービルダー、工務店等も設計を自社でする以上、建設業の許可だけでなく、必ず設計事務所としても登録しなければいけないのです。
業界では当たり前のことですが、意外と知られていません。
お気付きの方もおられるかもしれませんが、
建設業は許可、設計事務所は登録なのです。
これにも理由があります。
建設業はお施主様から多額の工事代金を預かって工事をし、また、施工にあたり技術が必要となるので、経営の知識や経験、工事をする技術的な能力はもちろん、財務的に問題がないかの審査を受けなければならないので許可となります。
ランクとしては「一般建設業」と、よりハードルが高い「特定建設業」があります。
それぞれ請け負うことが出来る金額が決められています。
一方、設計事務所は、
技術的審査は、建築士の試験で済んでいます。
また、お施主様から高額な代金を預かることもないので、登録でよいのです。
ランクとしては、「1級建築士事務所」、「2級建築士事務所」、「木造建築士事務所」とがあります。それぞれ、設計できる建物の構造と規模が決められています。
また、設計事務所も、「土木系」と「建築系」に分かれ、
その中の建築系の設計事務所にも色々あります。
ビルやマンションを専門にしているところ。
公共工事を専門。構造設計を専門。設備設計を専門としているところ、一般住宅を得意としているところ 等々です。
どの業界でも同じでしょうが、良いものを作ろうとすると、
奥が深いもので、それぞれの分野で、知識と経験がないと出来ません。建築業界も同じです。
ですから、
住宅を建てられる時には、それを得意としている
設計事務所に依頼しないといけないのはご理解いただけたと思います。
次回は、一般住宅を得意としている設計事務所について、
説明したいと思っています。