建て方が終わると屋根工事へと進んでいきます。
雨が降っても木材が濡れないようにするためです。
まず、屋根の下地となる耐水野地合板を、
その上にアスファルトルーフィングを貼ります。
アスファルトルーフィングとは、アスファルトを使用した防水シートのことで、
厚手の紙やフェルトなどにアスファルトをしみ込ませ、
さらに覆うようにアスファルトを塗り、
粘着防止のために粉末にした雲母や粘土などを塗布してシート状にした製品です。
アスファルトは、石油に含まれている粘着性のある物質で、
アスファルトルーフィングは水分を通さないので、屋根や壁の防湿層に使われます。
「アスファルト」と「コールタール」は、外観が似ていますが両者はまったく別物で、
「アスファルト」は石油から製造され、「コールタール」は石炭から得られます。
特に人体への影響には、「コールタール」には発癌性に強い影響を及ぼしている
「ベンゾ(a)ピレン」という物質が非常に多く含まれていますが、
「アスファルト」に含まれる「ベンゾ(a)ピレン」の量は極めて少なく、
例えば、焼肉のような食品に含まれる量よりも少ないと報告されています。
屋根の断熱は、屋根の材料や勾配等々によって、
断熱材の種類や入れ方を変えます。
この家の場合、勾配がほぼフラットに近い緩い勾配で、
屋根裏がほとんどないため、野地合板の上に通気層を設け、
空気が流通するようにしています。
したがって、野地合板、通気シート、通気胴縁、野地合板、
アスファルトルーフィングと張り、最後に屋根材で仕上げてあります。


断熱材は、野地合板の下、垂木の間に施工しています。

次回は木工事について紹介します。
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